大下藤次郎は、明治時代に活躍した水彩画家です。風景画を得意とした大下は、各地を精力的に旅行し、土地ごとの風景を写して歩きました。また、出版活動や講習会を通した水彩画普及運動に努めた人物でもありました。水彩画が今日の私達にとって身近なものであるのは、ひとえに大下の努力があったからだといっても過言ではありません。
本展覧会は、島根県立石見美術館が所蔵する水彩画約160点、および絵葉書やスケッチブックなどによって、大下藤次郎の二十年にわたる画業を紹介するものです。
繊細な筆遣いと美しい色彩が織りなす風景画の数々は、見るものの胸に郷愁や、自然を愛する心を呼び覚ましてくれます。
百年前の日本、「なつかしの風景」への旅をご堪能ください。