「アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち」展は、フランスを代表する女性アーティスト、アネット・メサジェを紹介する日本初の大規模な個展です。
1970年代から絵、写真、記事、拾い集めたオブジェ、言葉、剥製、ぬいぐるみ、布、刺繍、糸、編み物など、日常のさまざまな素材を用いて、創作活動を行ってきたメサジェ。 彼女は聖と俗、ユーモアと恐怖、愛と悲しみ、女性と男性、動物と人間、子供と大人、生と死、表と裏など、人間の相反する複雑さを日常の視点から浮き彫りにします。 収集癖や身体への関心、ぬいぐるみや玩具との戯れ、言葉遊びなどから生まれる作品には、子供のような無邪気さと残酷さが共存し、私たちは、メサジェの紡ぎだす物語の世界からさまざまなメッセージを読み取ることができます。 人間の負の感覚にも正面から向き合いつつ、そこに小さなユーモアを潜ませる独特のエスプリは、世代を超えて多くの人びとの心を捉え、魅了します。
チャーミングで幻想的、そして時に奇妙で不可思議なかたちで私たちの前へ現れる作品群。それらは人の心の奥深い部分へ何かを投げかけてくる「使者」といえます。
本展はパリ(ポンピドゥーセンター)をはじめ、フィンランド、韓国を巡回した国際展です。日本では森美術館のギャラリー空間を生かしたスケールの大きな展示をお楽しみいただけます。展示は2005年の第51回ヴェネチア・ビエンナーレで金の獅子賞を受賞した《カジノ》をはじめ、代表作《つながったり分かれたり》などを含む約30数点の作品によって構成されます。