モーリス・ド・ヴラマンクは1876年にパリに生まれました。ヴァイオリン奏者や競輪選手として生計を立てながら独学で絵を学び、ゴッホに影響されて激しい色使いと筆触の作品を描くようになります。そして1905年、マチスやドランらとともにサロン・ドートンヌ(秋のサロン)に出品したヴラマンクの作品は、その荒々しい作風からフォーヴ(野獣)と呼ばれ、ここにフォーヴィスム(野獣派)が誕生します。
しかし、フォーヴィスムは数年で収束し、セザンンウに影響を受けたヴラマンクの作品は落ち着いた色調と堅牢な画面構成に変化します。
そして第一次世界大戦後は重厚な色調とスピード感のある筆致で独自の画風を確立し、1958年に没するまで精力的に活動しました。
この展覧会は、海外で所蔵されている作品を中心に、ヴラマンクの初期から晩年までの油彩画を中心に水彩・版画など80点余りを展示し、その画業をたどる本格的な回顧展です。
これらの作品を通じて、ヴラマンクのダイナミックな世界をお楽しみください。