朝顔は、奈良時代に中国大陸より薬として日本列島に伝えられました。やがて、江戸時代になると都市の園芸文化の隆盛のなかで、人々に親しまれる花の一つとなりました。さらに朝顔の突然変異を起こしやすい性質を利用して、葉と花の多様な変化や組み合わせを楽しむ変化朝顔が作り出されるようになります。
当館では、この変化朝顔をくらしの植物苑で1999年より展示してきました。今年は、がくだけの朝顔“無弁花”、当苑からの朝顔でみつけられた獅子咲きの遺伝子など、10年のあゆみをふり返ります。また、“朝顔図譜”に描かれた朝顔の再現を目指した展示を行います。
さらに、本館第3展示室ミニ企画展示「『もの』からみる近世」において、園芸文化の中の朝顔、デザインやイメージとしての朝顔について、館蔵の“朝顔図譜”や絵画・工芸資料を一堂に会した展示も同時開催することにしました。ぜひ、2つの会場で、実際の花々と歴史資料の両方をお楽しみください。