日本における近代医学の発祥地としては、長崎、大坂の緒方塾が注目されてきました。しかし、江戸後期から幕末の佐倉も、全国各地から順天堂に医学生が参集し、蘭学の中心地として栄えたのです。
そこで、本年6月21日・22日に佐倉市で開催される日本医史学会総会・学術大会を機に、3月にリニューアルオープンした国立歴史民俗博物館第3展示室の「いつ来ても新しい常設展示」の一環として、佐倉順天堂のミニ企画展示を開催します。国立歴史民俗博物館寄託(佐倉市所蔵)のほか順天堂大学所属・佐藤強氏所蔵の順天堂関係資料などを展示し、堀田正睦の庇護のもとに活躍した佐藤泰然、果敢に近代化に挑んだ佐藤舜海(尚中)を通して、佐倉藩・佐倉順天堂が黎明期の近代日本医学の受容に重要な役割を果たしたことを明らかにいたします。