兵庫県立美術館では、1989年より1995年を除く毎年、「美術の中のかたち-手で見る造形」展を開催してきました。作品にじかに手で触れる機会を通して、視覚優位の美術鑑賞のありかたを乗り越えようとする試みです。
今回は、2人の彫刻家の作品を触れて味わう展示です。梶滋(かじ・しげる1951~)氏は自然の中にあるリズム「ゆらぎ」を彫刻に表した作品を制作しています。久保極(くぼ・きわめ1956~)氏は、石を彫りぬいて幾何学的な作品を制作しています。自然の中に存在していても形のない「ゆらぎ」や、自然には実は存在しない「直線」や「球面」にさわって、心安らぐひとときを過ごしていただきたいと願っております。