水戸芸術館現代美術センターは、イギリスを代表する現代美術家、ジュリアン・オピーのアジア初の大型個展を開催いたします。その活動初期から、絵画と立体、アートとデザイン、商品とアート、日常と美の関係といった、現代美術の主要な問題に対して実験的な表現を試みているオピーでうsが、日本では主に1990年代後半から制作されいる記号的な表現言語を用いたポートレートで知られています。
1958年にロンドンで生まれたジュリアン・オピーは、1982年にゴールドスミス・カレッジ・オブ・アートを卒業後わずか3年間で、ヨーロッパの主要な美術館やギャラリーの展覧会に参加し、高い評価を得ました。コンセプチュアリズム、ポップ、ミニマリズムと、主要な美術概念や様式を吸収しながらも、鮮やかに自らのスタイルを生み出しているオピーの作品は、ロンドンのテート・モダン、ニューヨークMOMA、日本の東京国立近代美術館など、世界中の主要な美術館に所蔵されています。また、オピーは2001年に発表されたイギリスの音楽バンドBlurのアルバムジャケットのデザインを手がけるなど、アートとデザインの境界を横断した活動を行っています。
オピーは歌麿や歌川広重など、日本の浮世絵版画のコレクターでもあり、近年は浮世絵の構図や色彩感覚を、コンピューターやLEDといった現代の表現ツールを用い、オピー独特の表現へと昇華させた作品を制作しています。本展では、この浮世絵に着想を得た作品を含め、人物、風景をテーマにした作品や、平面だけでなく立体や映像作品など、近年制作された約90点の作品を網羅することで、これまでグループ展などで断片的にしか紹介されていないオピーの全貌を紹介します。また、水戸芸術館の屋外広場にも、等身大のLED作品や、立体作品が展示され、繊細さとダイナミックさを兼ね備えたオピーの世界が繰り広げられます。
本展は日英の外交関係150周年を記念して開催されるUK-Japan2008の公認イベントです。