今から約5000年前、ナイルのほとりに生きた古代エジプトの人々は、太陽や水、動物などを神格化した神々、王(ファラオ)を仲介とした振興を元に高度な文化を築きました。
そして、再生の思想や現実の生活を美しい彩色画で描くとともに、ヒエログリフ(象形文字)で書かれた文を添えて神殿や墓の内部を飾りました。
このたび、古代エジプト研究に多大な功績を残したイギリスのイートン・カレッジとダーラム大学が所蔵する19世紀に収集された極めて良質のコレクションを紹介することとなりました。
本展覧会では、美術的な観点から古代エジプトの副葬品などに見られる造形性に着目し、「エジプト文明の芽生え」、「神々の世界」、「偉大なるファラオ」、「ナイルの暮らし」、「来世への願い」、「エジプト美術の遺産」の6部構成、約300点を日本で初めて公開します。3000年にわたる王朝時代の装飾美術の表現をご覧いただければ幸いです。