源氏物語」は、紫式部日記により寛弘5年(1008年)には宮中で読まれていたことが確認されており、2008年はそれから1000年の節目にあたります。この「源氏物語千年紀」を捉え特別展を開催します。源氏物語は、平安期からすでに絵画化され、「源氏絵」とよばれる物語絵や障屏画等の流れが生まれました。とりわけ近世に入ると、王朝人の生活や文化へのあこがれと印刷技術の飛躍的な発展によって、注釈書や翻案本なども刊行され、幅広い階層の人々に受容されていきました。本展では、平安期から現代にまでいたる源氏絵および源氏物語、紫式部にまつわる図像の系譜を近世および近代の展開に主眼をおいて辿り、1000年の長きにわたり人々を惹きつけてきた「源氏物語」の魅力に迫ります。