本展は、「インドネシア更紗のすべて 伝統と融合の芸術」の開催にあわせ、手仕事の見事さ、美しさをあらためて認識させられる作品を一堂に展示してみようという所蔵作品展です。
採算度外視で贅を尽くして制作された江戸時代の私家版「摺物」や、浮世絵以来の木版画の伝統技術と美意識を見直した「新版画」の世界を、普段なかなか見ることのできない下絵、版木や順序摺(一工程ごとに別紙に摺り分けて木版画の摺りの手順を示したもの)などとともに展示いたします。
当館の所蔵についてお問い合わせの多かった川瀬巴水や橋口五葉などの作品も、多数ご覧いただける機会となります。そのほか、浜口陽三のカラーメゾチントなど、緻密な手仕事の光る作品群をじっくりとお楽しみいただければ幸いです。