岡本太郎(1911-1996)はさまざまな分野で活躍しました。芸術家として10代のころから絵画制作を皮切りに活動をはじめ、1952年にはじめての立体作品を制作します。粘土を使用し、土を足し加えることによる制作過程から、岡本は立体世界の自由な表現を見出していきます。土でつくりあげたものを火にかけると、岡本が作ったままの形で固くなり長期にわたって形を保持していきます。岡本はその制作過程を楽しみました。
さらに、粘土でつくった形を石膏で型抜きしていく方法を知り、表現の可能性が広がっていきます。石膏の型を使用し、金属やプラスチックで作品を完成させていきます。さらに、最初の石膏をもとに寸法を大きくした立体を制作することで、公共の場所に設置し、誰にでも見てもらえる立体造形を完成させていきます。
岡本は、最後の瞬間まで立体をつくっていました。岡本が生涯にわたり実現させようとした世界、岡本が作り出す独自の形をご覧ください。