情感あふれる作品世界で、多くの人を魅了してきた作家・安元亮祐。
陶壁を思わせるマチエールと、“ヤスモトグレー“と呼ばれる独特の色彩で描かれる作品は、懐かしさ、哀愁などを湛え、作家の創造する<楽園>へ誘い込まれるかのような感覚を呼び起こします。音のない世界に生きる、この作家独特の研ぎ澄まされた感性から生み出される作品に夢中になるファンの数は、展覧会の回を重ねるごとに増え続けています。
今回の個展では、アクリル・コラージュの新作を約20点ご紹介いたします。一見、無機質に思える表情のない人物が登場する作品にも、不思議に物語性を感じることができます。それは、画面に込められている安元の内面で浮遊する感情が、作品を見る人間に語りかけてくるかのようです。
自身の作品のスタイルを壊し、新たなスタイルを組み立てながら、常に新鮮な印象を与え続けてきた安元亮祐の作品の世界を、この機会にぜひご覧ください。