黄金崎クリスタルパークは、日本でも数少ない現代ガラス専門の美術館として1997年に設立されました。設立以来、さまざまなテーマの企画展によって、国内外の第一線で活躍されているガラス作家の多様な作品を紹介し、現代ガラスの啓蒙普及に努めてまいりました。
しかしながら、一般の現代ガラスに対する馴染み方はまだ十分とはいえません。そこで今回は、そうした現代ガラスにより一層楽しんでいただくための特別企画として、「誰でも楽しめる現代ガラス」展を開催いたします。
そもそも現代ガラスとは、1960年代以降に広まった自由で独創的なガラス芸術のことです。工場や職人の手から離れ、個人でも自由に創作活動が出来るようになると、次々と個性的な作品が誕生し、独特の専門用語や数多くの技法が生まれました。今では、ガラスによる表現は多種多様を極め、今日の美術における新しい造形分野としてのガラス芸術を確立させています。しかし、そのことは同時に、ガラス芸術が、一般のガラスに対するイメージから次第にはなれ、専門化し、複雑化していくような印象を与えていくことになりつつあるのは大変残念なことです。
本展では、当館で初めてとなりますが、ワークシートを使った鑑賞者参加型の楽しみ方を試みようとしています。作品をどう見たらよいのか戸惑っている方や、初めて現代ガラスを鑑賞される方のために、ユニークな作品を揃え、ガラスの魅力をわかりやすくご紹介いたします。ワークシートをきっかけに、現代ガラスの面白さを知っていただき、難しいと思われがちな現代ガラスの面白さを知っていただき、難しいと思われがちなガラスと自由に接し、そのさまざまな表情をたのしんでいただければ幸いです。