松岡美術館は、創立者松岡清次郎(1894-1989)が蒐集した東洋陶磁、日本画、ガンダーラ・インド彫刻、古代オリエント美術などの主に東洋古美術のコレクションを所蔵していることで知られております。しかし、松岡が晩年、シャガールの油彩画作品『婚約者』に魅せられ、これをコレクションに加えて以降は、フランス近代絵画の分野にも積極的にその蒐集の眼を向けていきました。それらはモネ、ルノワールなどの印象派の作品から20世紀初頭パリで活躍したエコール・ド・パリの画家たちの作品に及びます。
本展では、そうした館蔵のフランス近代絵画コレクションより、モネ、ルノワール、シスレー、ピサロら印象派の画家たちをはじめ、印象派以後に新しい絵画表現を試みたシニャック、クロッスなどの新印象派の作品、また第1次世界大戦前後のパリで活躍したエコール・ド・パリの画家たち、モディリアーニ、キスリング、藤田嗣治、シャガール、ユトリロ、ローランサン、ピカソなどの作品を展観し、19世紀後半から20世紀にかけて展開したフランス近代絵画の魅力をご紹介するものです。