記憶の切り貼り。 記憶は断片化され、時と共に散り散りになり、あるモノは又、どこかで混じり合う。 交わることのない「その時」と「あの空間」・「あの時」と「その空間」。しかし記憶の中では、それらが薄れ行きながら、ぼやけながら調和して行く。 どこかで見た風景は、別のどこかで記憶と共に蘇り、どこかで見たモノもまた、別の何かで蘇る。 断片化され、散り散りになった記憶は、螺旋のように交わらない別々の時間と空間の中で、ただ私の中だけで、薄れ行きながら、ぼやけながら混ざり合って行く。 薄れ行き、ぼやけ、混ざり合い、そして消え行く。消え行く前に、それらを記憶あるいは記録するのだ。