魂を吹き込まれたかのような躍動感と強烈な迫力で見る人の心を惹きつける棟方志功。明快なフォルム、濃密な色彩とマチエールで風景や猫、花等を映し出した斎藤清。日本の伝統を木版画で世界に知らしめ魅了した二大巨匠の作品をぜひお楽しみください。 棟方志功(1903-1975) 「わだばゴッホになる」と画家を志し、自ら「板画」と称した独特の気迫ある木版画で「世界のムナカタ」の名を確立しました。板木へ額をこすりつけ、がむしゃらに彫刻刀を突きつける木面から生まれる作品は、まるで今にも動き出しそうなエネルギーに溢れ、見る者の心に迫ってきます。 斎藤清(1907-1997) 戦後日本の版画界を代表する作家の一人である斎藤清。古都風景や外国風景、動植物を独特な色使い、悠々たる描画で表しており、作品には優しさと温かさに溢れています。晩年に鎌倉から故郷会津に居を移し、90歳という長い生涯を終えるまで「会津の冬」シリーズの作成に全うしました。