世界の中でも、やきもののメッカといわれる日本。戦後の日本のつくり手たちは伝統を基盤としながらオリジナリティや素材の可能性を切り開こうと、新しい陶芸の開拓に果敢に挑んできました。その原動力となったのは、美術からの新しい刺激、そして歴史の中で生まれてきたやきものへの憧れ、素材への探究心などであったといえるでしょう。このように日本の現代の陶芸家たちは時代を感性でとらえながら、原始的な素材”土”で、新しい地平を目指してきました。
日本の現代陶芸は、海外でも極めて評価が高く、多くの日本の作家たちが国際的なコンペティションで入賞を果たしています。また近年、アメリカやフランスの美術館では、日本の現代陶芸を紹介する展覧会が開催され、欧米の作家たちにはみられない、東洋的な感性溢れる作品が、数多くの人々を魅了しました。日本の作家たちは、やきものの伝統を新しい切り口として素材と向き合いながら独自の技法を見出したり、身体的なリズムと土の可塑性を問いかけながら作品を仕上げたり、また自然美を慈しみその奥深い造形からインスピレーションを広げるなど、多彩な作品を生み出しているのです。
日本を代表する女性作家たちの清冽な作品を通して、情報化やグローバル化の中で、私たちがもはやその存在を忘れてしまった日本の美や、進化する陶芸の未来に気づいていただけることを期待します。