半世紀にわたりフランスで活躍をつづけている洋画家、村山密の画業を回顧する展覧会を開催いたします。
1918(大正7)年、茨城県に生まれた村山はJ II端画学校および春陽会研究所に通い、師事を受けた岡鹿之助からフランスへの留学を強く勧められたことがきっかけで、1954(昭和29)年、単身フランスに渡ります。いったん帰国し、1959年に再渡仏して、現在に至るまでパリのセーヌ河畔のアトリエで制作を続けています。
1962年にサロン・ドートンヌに初出品し、初入選したのをかわきりに63年サロン・ド・ラ・ソシエテ・ナシオナル・デ・ボザールでの外国作家賞受賞、79年サロン・ドートンヌ審査員、85年具象絵画部門絵画部長、91年パリ名誉市民賞(ヴェルメイユ勲章)、97年フランス政府よりレジョン・ドヌール勲章(シュバリエ賞)を授与しました。
本展では、画家の初期から近年に至る画業を展望し、日本では初公開の新作をあわせて紹介します。多くの巨匠が集うパリで、このように活躍している日本人洋画家、村山密の作品を一堂に紹介し、第二のふるさとであるフランスの美しい風景を詩情いっぱいに表現した村山密の世界をご堪能いただく展覧会です。