平成19年度特別企画展「絵の具だ!バンザイ!」を開催します。
神田日勝の「晴れた日の風景」(1968年)は、流動的で激しい筆触で赤や青、黄色など原色を使って厚塗りで描かれました。この表現は翌年まで集中して現れますが、一方で同時期に「室内風景」や「ヘイと人」など現代社会に生きる人間の内面を見詰めた作品も制作しています。
このような表現が生まれた背景には、1960年代に日本を席巻したアンフォルメル旋風があり、多くの画家が影響を受け、具象的な絵画から半具象、そして抽象的な絵画へと転向してゆく画家がいました。
本展では、その影響が見られる作品と画家個人の内的動機を踏まえながら、その表現の特徴を探り、神田日勝の画業の一時期を照射しようとするものです。