●東洋美術コーナー:浮世絵動物園
日本を代表する浮世絵では、美人画、風景画がよく紹介されますが、あまり知られていないのが動物たちの作品です。今回の東洋美術コーナーでは、今も昔も変わらず愛される動物たちにスポットをあて、浮世絵が作られた時代の動物のおもしろい表情や擬人化して表現されている動物、人間と共生をしている動物など、さまざまな動物が登場する作品をご紹介します。
●近代美術コーナー:田園賛歌に関連して
「ミレー、モネ、黒田清輝 田園賛歌―近代絵画に見る自然と人間」展開催に合わせて、そこに出品される作家の中から当館に収蔵されている作家の作品を展示し、作家についての理解をさらに深めていただけるようにします。また、田園賛歌のテーマに合わせて日本の田園風景を描いた素描を展示し、私たちの生活との結びつきを考えます。
●郷土作家コーナー:長末友喜と朱画会
長末友喜は福岡県田川郡赤池町に生まれ、八幡製鉄所に入社し、同社で朱画会を設立しました。そして1949年に33歳の若さで亡くなるまで北九州とその近郊を題材にした作品を発表し続けました。今回はそんな長末友喜の作品を中心に、彼とともに朱画会を設立した村田東作や会の結成時から関わりのあった後藤愛彦、藤田隆治、星野順一らの作品を展示し、朱画会の活動を探ります。
●テーマコーナー:平野遼/光と闇を超えて
平野遼(1927-1992)は、北九州市を代表する物故画家です。
平野遼にとって想像力の原点だった闇。生きてきた過程で彼の内面に蓄積された闇。彼が闇の彼方に追い求め、描きたかったものは何だったのでしょうか。館が所蔵する約130点の作品の中から、油彩画を中心に水彩画、ペン画を加えた30数点で平野遼の世界観を探ります
●現代美術コーナー:平面の可能性―中西夏之
白灰色の画面にあらわれた弓形やL字のような線の周りを無数の×印や斑模様が覆い、やさしく淡いタッチと鮮やかな紫が美しい作品群。
中西夏之(1935-)は、その絵画制作の中で絵画とは何か、その可能性を模索し続け、絵画の「平面性」「正面性」を追求してきました。何を描くかではなく、人は最初どのように絵を描くかに焦点を絞り、絵画成立のルーツを探り続けています。今回、80年代に制作された作品の中から、当館所蔵の油彩3点と素描約20点を紹介します。