江戸時代中期に京都のやきもの界に一大革命を起こした乾山焼。琳派の大成者尾形光琳の実弟、尾形乾山が興したやきものです。華麗な意匠でうつわを飾り、京の懐石器の原点として今なお人々を魅了してやみません。
乾山は、元禄12年(1699)、京都・仁和寺の奥に位置する鳴滝泉谷に窯を開きましたが、昭和初期にその窯跡が発見されて以来、正式な発掘調査がなされることなく、その全容は長く謎のままでした。しかし、近年の窯跡発掘調査によって、予想を超える種類の遺物が採取され、王朝趣味や異国情緒あふれる懐石器など、乾山焼の新たな側面が明らかとなってきました。
本展では、新たな時代の京焼の在り方を模索し、ニューリーダー的な存在であった乾山と、鳴滝窯に参画した乾山の実兄・尾形光琳の作品を展示し、その魅力をお楽しみ頂きます。