戦後、「具象」「抽象」という言葉が頻繁に使用されるようになり、抽象彫刻作品が次々と発表され始めます。抽象彫刻に限らず、抽象絵画にしても「何かよく分からないもの」「奇をてらった造型の遊び」と往々にして思われがちです。「抽象」作品は、ただ表面的に対象に似ているということよりも、直接的に私たちの生命や生活につながる要素を大切にし、そこに作品としての価値を見いだすことができるのではないでしょうか。
このたびは、平櫛田中賞受賞作家の作品を中心として、当館の所蔵品16点により、抽象彫刻の魅力をご覧いただきます。