皆さんのお宅に何か美術作品はありませんか?美術作品は大切にしても、美術館で保存しても、長い間には、必ず傷んでしまいます。美術館の所蔵作品も、皆さんのコレクションも、大切に守り、次の世代に伝えようとすれば、私たちが健康に注意するのと同様に、その時々のケアが欠かせません。
美術作品はさまざまな材料から作られています。したがって、ケアの仕方も一様ではありません。同じ絵画でも、油彩画と日本画では異なります。ただし、難しく考えることはありません。ちょっとした知識と、わずかな時間があれば、だれにでもできます。
しかし、残念ながらすでに傷んでしまった作品には、専門家による修復が必要になります。
この企画展では、油彩画、日本画、彫刻、工芸作品を中心に、家庭でできるコレクションケアの方法と、普段あまり紹介されることのない、保存修復の専門家による修復工程写真や道具、作品の構造や技法の特徴を展示解説します。会期中にレクチャーと相談会とワークショップを開催し、皆さんのお宅の作品のケアに関する疑問にもお答えします。