トルコ人が好きな国の一つは日本であると言われています。しかしなぜトルコ人が日本に親近感をもつようになったのかを私たちは考えたことがあるでしょうか。
日本とトルコの間には100年前の明治時代まで遡ることができる交流があり、様々な人々の往来や出来事がありました。そうした交流の原点ともいえる出来事が日本への最初のトルコ使節、「軍艦エルトゥールル号」の派遣と紀伊半島の先端、串本沖での遭難であったといえます。
本展では、和歌山県の串本町が所蔵するエルトゥールル号に関係する品々や資料そして中近東文化センター附属博物館の鮮やかな色彩で彩られたオスマン帝国時代の陶器やタイルを展示し、「エルトゥールル号の派遣」「エルトゥールル号の遭難と救出」「エルトゥールル号救出者のトルコ送還」「エルトゥールル号事件後の日本とトルコ」「串本町のトルコ記念館」などのコーナーをとおして、エルトゥールル号事件を回顧し、この問いについて考えたいと思います。