江戸幕府は、徳川家康、秀忠、家光の三代によってその基礎が確立され、260年に及ぶ長期政権が続きました。このような幕府権力の象徴が天下に威容を誇った江戸城です。江戸城は長禄元年(1457)に太田道灌が築城に着手し、扇谷上杉氏・北条氏の時代を経て、家康入封(天正18年・1590)後急速に拡張・整備されていきました。幕末期の相次ぐ火災や明治維新後の取り壊しで建物はほとんど失われましたが、残された資料から往時の姿を再現します。また将軍権力の確立過程にかかわる文書等もあわせて紹介します。同時期開催の特別展「大徳川展」と併せてご覧いただければ、より豊かな江戸時代像が描けることと思います。