茶会に招かれると、席入りとともに、まず始めに拝見する「床の間」。そこには、掛物がかけられ、花入や花、時に香炉や香合が飾られています。亭主は、季節や客に応じて最もふさわしい掛物や花入を選び、またその調和にも心をくばります。「床飾り」を通して、もてなしの心を感じとった客と亭主との間には、きわめて精神的な交流が結ばれます。
本展覧会では、当館のコレクションより、花入を中心に、掛物や香合など「床飾り」の道具、計55点を出品いたします(会期中一部展示替えあり、各期約40点を展示)。古銅や青磁の花入に唐絵などの荘厳の伝統をひく床飾りから、和陶や竹の花入に墨蹟や茶人の消息などの侘びの床飾りへ、その歴史とあわせて、「床」に咲く美の世界をお楽しみください。