文展(文部省美術展覧会)は、明治40年(1907)に発足したわが国初の官設の総合美術展であり、今年で開設100年を迎えます。画家たちは、それまで塾や小会派で腕を磨き、各種博覧会などで互いの力量を競ってきました。しかし、博覧会とは異なり、毎年催される展覧会が開設されたことで、より多くの人々に作品を見てもらえる発表の場ができ、また会派や団体の垣根を越えることによって、作家たちの創作意欲を大いに刺激することとなったのです。のちに文展は、帝展、新文展、日展へと改組を繰り返し、さらには法人化され新日展、改組日展として現在にいたっています。その間、さまざまな美術思潮をもった画家たちが集い、それぞれの分野で新しい傾向の作品が数多く生み出されるとともに、近代日本美術の発展に大きな成果を上げました。
本展では、文展から日展にかけて活躍した日本画家の作品を展示いたします。竹内栖鳳、川合玉堂、上村松園、橋本関雪、伊東深水ら、巨匠たちによる名画の競演を心ゆくまでお楽しみください。
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