重森三玲(しげもり・みれい、1896(明治29)年~1975(昭和50)年)は、岡山県に生まれ、日本美術学校で日本画を学んだのち、いけばな、茶道、建築など日本文化全般の研究および庭園を独学で学び、自らの長年にわたる研究と類い稀な感性で生涯に200あまりの作庭や執筆を手掛け、日本古来の伝統的な庭に創造と自由を導いた作庭家です。
本展では、代表作であり日本庭園史上初の市松デザインによる北庭が有名な東福寺方丈庭園をはじめ14箇所あまりの庭園や、庭園研究以外にも指導者として力を注いだいけばな関係の資料、中川幸夫、イサム・ノグチらの交友関係資料を展示し、常に生活を彩る「永遠のモダン」を追求した重森三玲の、地上に描いた至極の世界を展開いたします。
「伝統とは、制作されたものゝ上にのみ咲く花であって、その創作性のないところには花は咲かないし、中途から創作性が無くなった場合には、咲いていた花も亦枯れ落ちてしまうのである。」
忠実な日本文化の伝統継承を尊重する一方、伝統から新しいものを生み出す力とは何なのか、重森三玲の作品を通して現代に生きる私たちの新しい伝統の在り方を考えます。