平塚在住の洋画家、平野杏子(ひらのきょうこ・1930~)の公立美術館ではじめての本格的回顧展を開催します。
平野杏子は、現在の神奈川県伊勢原市に生まれ、大久保作次郎、長屋勇、三岸節子に師事。具象的な風景、静物に早熟の才をみせ、しだいに仏教に傾倒し、抽象的な画風による大作を発表。1962年より平塚にアトリエを構え、以後、湘南文化の中心として活躍。潮展に創立時から携わり出品するほか、60年代後半の幻想的抽象絵画に時代的な役割を果たします。インドや韓国での精力的な取材を行い、本人による慶州南山磨崖仏拓本が2006年に国立九州博物館に寄贈され、またサロン・ド・メ展への招待出品など、国内外で幅広く活躍しています。
本展では、1951年の旺玄会展出品作品から最新作にいたる約40点の油彩、版画、立体作品により、多彩な作品世界を回顧します。