ヤマシタリョウは、デザインから金属の鋳鍛造・成形まで、制作工程のすべてをひとりで手がける、数少ない眼鏡作家のひとりです。彼は、使い手との間にしっかりとした関係を持っていた江戸の金枠(眼鏡)職人にモノづくりの姿勢を学び、自身のアトリエでオートクチュールの制作システムを確立しました。一方で、眼鏡を「もっとも身近なパーソナルアート」として位置づけ、美術的表現としての可能性を追求。遊び心に溢れるデザインを発展させるとともに、竹や鉄など現代の眼鏡が決して採用しない素材を取り入れてきました。今回の展覧会『鏡花』では、自然の生命感をイメージしながら、人とともにある眼鏡の新たなる可能性を追求した新作を発表します。