1910年に建築された近衛師団司令部庁舎は、1972年国の重要文化財の指定を受けました。その後、東京国立近代美術館の分館としての利用が決定すると、保存修復工事とともに、美術館として展示や収蔵のための改装が施され、1977年11月15日、近代美術の工芸部門を専門とする「工芸館」として生まれ変わりました。
開館記念展「現代日本工芸の秀作」を皮切りに、近代工芸を検証する展覧会、また、重要な作家の回顧展、現代の先駆的な工芸の動向、海外の工芸を紹介する展覧会など、これまで80余りの企画展を開催してきました。工芸館のコレクションは、開館に際して文化庁からまとめて管理換えされた陶芸、染織、漆芸等の約500点の作品を基礎としてスタートしました。その後も、明治から現代までの作品の充実を図り、現在では工芸およびデザイン作品約2600点を数えるに至っています。また、近代工芸に関わるさまざまな教育・普及活動も行ってきました。
本展では、①工芸館開設準備から開館記念展まで(1972~1977)、②展覧会のあゆみ(1977~2006)、③コレクションの形成、という三部構成により、工芸館の30年のあゆみを回顧し、工芸館が担ってきた役割を検証します。
会期中一部展示替えあり
予告:開館30周年記念展Ⅱ「工芸の力―21世紀の展望」
会期:2007年12月14日(金)~2008年2月17日(日)