当館の洋画コレクションの中心は、昭和洋画史に大きな足跡を残した独立美術協会関連作家たちの作品です。
同協会の創立メンバーは、大正時代後半にフランスで学んだ画家たちでした。彼らが渡仏した当時のフランス画壇は、フォーヴィスム、キュービスム、シュール・レアリスムなど、20世紀絵画の新運動が収束し、それにかわりパリに集った外国人作家たちが活躍していました。エコール・ド・パリと呼ばれた彼らは、それ以前の絵画運動に影響を受けながらも、個々の国の伝統や意識を作品に反映させ、その個性的な表現によって注目をあびました。
それに刺激を受け、帰国後の昭和5年、独立美術協会は創立されました。日本人による新しい洋画の創出を目指したこの団体は、既成団体とフランス美術からの「独立」を宣言し、当時の洋画壇に大きな衝撃を与える一方、若い画家たちに熱狂的に支持されました。
この展覧会では、独立美術協会を中心とする日本的フォーヴィスムの研究、作品収集を行う美術館として知られる当館のコレクションより、同会創立メンバーから現在活躍している同会の実力作家まで、幅広く紹介します。