モーリス・ド・ヴラマンク(フランス・1876~1958)はパリの貧しい家庭に生まれました。17歳で自活、独学で絵を描き始め1900年にアンドレ・ドランと出会い、また翌年のゴッホ展で強烈な刺激を受け、フォーヴィスム運動に参加。1905年パリのサロン・ドートンヌにて衝撃的なデビューを果たし、マティス、ドランらと共に、20世紀フランス絵画界のフォーヴィスムの代表画家として活躍しました。セザンヌやキュビスムにも傾倒しますが、次第に強烈かつ重厚で、エネルギッシュな独自のスタイルを確立し、佐伯祐三や里見勝蔵等、日本における近代洋画家達にも多大な影響を与えました。
本展は、開館10周年の秋にふさわしく、重厚なヴラマンクの円熟期から晩年までの油彩を中心に、挿絵本、エッチング、リトグラフ等を一堂に展示致します。
フォーヴィスムの巨匠ヴラマンクの初期の油彩「赤い屋根のある風景」を始め、独自の画風を確立した円熟期では「アルジャンタンの村」「雪景色」、又彼が挿絵を手掛けた、アンドレ・サルモンの小説「リヴ・ゴーシュ」と別刷りのエッチングも併せて展示致します。
男性的な画風で親しまれているヴラマンクの作品ですが、展覧会が開催されることが少なく、日本で最後に開催されたのは1991年以来となります。秋冷の心地よい空気に満たされた鎌倉で、重厚でダイナミックな魅力溢れるヴラマンクの作品をお楽しみ下さい。
出品点数
油彩・挿絵本・エッチング・リトグラフ等、総数約30余点