現在のベルギー北部にあたるフランドルでは17世紀に絵画芸術が円熟期を迎えていました。17世紀のフランドル絵画にはルーベンスとブリューゲルという二大潮流がありました。ルーベンスはバロック芸術を代表する画家の一人で、躍動感溢れるダイナミックな作風を特徴とした宗教画や肖像画で知られています。一方の「ブリューゲル」とは、農民画で16世紀に高い人気を誇ったピーテル・ブリューゲルの子孫による「ブリューゲル・ファミリー」のこと。彼らはのどかな田園風景、細密な描写による静物画の秀作を数多く残しています。その一人ヤン・ブリューゲルは、1602年にルドルフ二世の招きでプラハを訪れました。
フランドルはハプスブルク家が支配する神聖ローマ帝国の一地方で、当時のプラハは芸術を愛した皇帝ルドルフ二世により、一大芸術センターとなっていました。
本展ではプラハ国立美術館の絵画コレクションから約70点の名品を紹介します。