森は多くの生命が誕生し、土に還り、また再生する舞台です。そしてまた森は、杜とも示されるように神々が住み、顕れるところでもありました。原始のすがたはすでに失われたとはいえ、森は、今もなお生命の不思議や、宇宙の有り様について私たちに何かを語りかけてきます。和歌山は、豊かな森と熊野古道を擁し、南方熊楠を生んでいます。
この展覧会は、和歌山県内の3つの美術館(和歌山県立近代美術館、田辺市立美術館、熊野古道なかへち美術館)が共同で開催し、絵画、彫刻、写真、映像などのさまざまなジャンルにおいて、森からのメッセージをかたちとする7人の作家たちの作品を紹介します。草木の緑や鳥のさえずり、そして水のせせらぎが私たちに癒しをもたらす場としての森、私たちの感覚を研ぎ澄ませてくれる瞑想の場としての森、また時として何者をも拒絶する畏怖の空間である森・・・。本展では、森のそのような諸相のなかに分け入って制作された、新作を含む作品の数々によって、私たちと森との関係を再考する手がかりを見つけたいと思います。
出品作家
田辺市立美術館にて展示
内山りゅう、栗田宏一、高木正勝、戸谷成雄、銅金裕司、矢櫃徳三
熊野古道なかへち美術館にて展示
押江千衣子、栗田宏一
ギャラリートーク
8月11日(土)午後2時~ 田辺市立美術館
8月12日(日)午後2時~ 熊野古道なかへち美術館
10月7日(日)午後1時30分~ 田辺市立美術館
午後3時~ 熊野古道なかへち美術館
和歌山県立近代美術館、熊野古道なかへち美術館との共同開催
同時開催:熊野古道なかへち美術館
和歌山県田辺市中辺路町近露892
Tel.0739-65-0390 Fax.0739-65-0393
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
2007年10月20日(土)~12月9日(日)
和歌山県立近代美術館にて開催