明治と昭和にはさまれた大正時代は、15年という短い間でしたが、大正デモクラシーの気運とともに個人の主観性やロマンチシズムを尊重する気風が芽生え、西洋モダニズムやアール・デコの影響を受けた独特の文化や芸術文化が花開いた時代でした。
本展の出品作品は、世界的に高い評価を受けているホノルル美術館の日本美術コレクションから、人間性豊かでロマンティックな香りを漂わせた大正時代から昭和戦前期にかけての作品を同館の学芸員が選定したものです。
核となるのは、パトリシア・サーモンという一人のアメリカ人女性によって日本で収集された作品群です。モダンガールなどの時代風俗を描いた日本画、アール・デコの影響を受けた着物や工芸品など約80点は、私たち日本人がこれまで気づかなかった新たな魅力を秘めています。
ホノルルで開催された後、アメリカ各地を巡回して好評を博し、ようやく里帰りを果たす待望の展覧会。 モダンな感覚を反映した明快で洗練された作品の数々との出会いを、どうぞお楽しみください。