竹久夢二(たけひさゆめじ)、高畠華宵(たかばたけかしょう)は大正から昭和にかけて活躍した画家です。竹久夢二(1884~1934)は、岡山県に生まれ、早稲田実業学校専攻科を中退後、新聞、雑誌の挿絵(さしえ)を描いて世に出ました。明治から大正への新旧渾然とした風俗を背景に、夢二が描く郷愁と憧憬を感じさせる、愁いを帯びた女性像は『夢二式美人』と呼ばれ、絶大な人気を誇りました。
愛媛県に生まれた高畠華宵(1888~1966)は、京都市立美術工芸学校日本画科で学び、広告絵を描いて評判となり、「少年倶楽部」、「婦人倶楽部」など月刊誌の挿絵を数多く手がけました。大正・昭和の憧れの生活スタイルを、モダンな衣装に身を包んだ女性像であらわし、熱狂的な支持を受け、大正後半から昭和にかけて、ひとつの時代を築きました。
本展では、大正・昭和の大衆に幅広く受け入れられた竹久夢二、高畠華宵さらに蕗谷虹児(ふきやこうじ)、岩田専太郎、中原淳一など、大正ロマン・昭和モダンを代表する作家たちの日本画、版画に加え、絵葉書、楽譜、装丁本などを幅広く紹介し、大正ロマン・昭和モダンの世界を振り返ります。