美術館の庭では昨年の「平松礼二館」開館を記念して平松画伯から株分けしていただいた「モネの睡蓮」が開花の時期を迎えます。
平松画伯は、パリのオランジュリー美術館で壁面一杯に描かれたモネの「睡蓮」に出会い、モネが単なる日本への憧憬だけでなく日本的な眼を持って制作していたことに衝撃を受けたといいます。
印象派の画家たちが日本の浮世絵に影響を受けたことはよく知られていますが、モネの日本びいきは有名で、晩年を過ごしたジベルニーの家に浮世絵を飾り、その庭に日本風の庭園を造って睡蓮を植え、生涯にわたり光と色彩の表現を追究し続けました。
モネが好んだ日本趣味を検証するため、平松画伯は四季を通じ幾度となくモネの庭を訪れ睡蓮を描きました。そこから生まれた作品には、画面の中に蛙やトンボを飛ばしたり、桜の花びらを池に散らしたりと遊び心が随所に感じ取れます。
今回の企画展では、日本画家・平松礼二の眼を通して描いた「モネの睡蓮」をテーマに展示します。