熊本市現代美術館では、このたび「森村泰昌―美の教室、静聴せよ」展を開催いたします。
1951年大阪に生まれ、京都市立芸術大学に学んだ森村泰昌は、ゴッホの自画像やセザンヌの静物画といった名画に自らが扮して撮影する、セルフ・ポートレートの写真で知られます。88年にはベネチア・ビエンナーレのアペルト部門に選出され、その後も国内外で多くの展覧会や、著作によって高い評価を得ている美術家です。
本展は、森村による「美の教室」に迷いこんだかのような展覧会です。まず会場をはいると、そこは学校の教室。生徒の机が並び、黒板には1時間目から6時間目まで、授業内容が記されています。そこから、まるで授業をうけているかのように、「モリムラ先生」の声を聴きながら、展覧会をめぐることができるのです。放課後には初公開となる新作も待っています。
さあ、教室の奥にある「謎の扉」を開けてみましょう。ここをくぐると、あとは漂流教室。さまざまな美術の歴史をさまようことになるのです・・・。
森村泰昌を「先生」に、美術の歴史をもう一度学んでみましょう。森村自らの身体を通して語られる、様々な美術家たちの魂の記憶。私達がそれに触れるとき、新たな世界が立ち現れてくることでしょう。
最後のテストに合格したら、無事修了証が発行されます。森村泰昌の本格的な回顧展となる、この「美の教室、静聴せよ」展を、どうぞこの機会にお楽しみください。
※本展ではモリムラ先生による「特別音声ガイド」(無料)をご用意しております。
会場にもイヤホンの準備はありますが、お好みによりご自身のイヤホンをお持ちください。