1859年、日本の開国を機に、海外に紹介された浮世絵や陶磁品などの日本美術は、細やかな自然描写、モダンな装飾、美しい色彩で、欧米の多くの人々の心を捉えました。日本の意匠に精神性までも取り込み、新たな芸術を生み出した美の交流は“ジャポニスム”として今日に知られています。
本展覧会は、米国の実業家デイヴィー夫妻が長きにわたり収集した、珠玉のジャポニスムのテーブルウエア約210点を紹介するものです。
ミントンやロイヤルコペンハーゲンなどの陶磁器、ティファニーなどの銀器、ガレのガラスなどを中心としたテーブルウエアや装飾品は、19世紀末欧米の“生活を彩る美”として実際に愛用されていたものです。
ティーカップ&ソーサー、ポット、カトラリーだけではなく、ランプや置物に至るまで、欧米社会の隅々に普及した、あらゆる実用品に見られるジャポニスムで彩られた心豊かな生活空間の魅力をご紹介します。