本展は、文化学園服飾博物館の所蔵資料によって、ヨーロピアン・ファッションの歴史をたどるものです。今回は、近年特に注目されている18世紀のロココ時代を特集し、貴族社会を象徴する華麗な宮廷衣裳や扇、テキスタイルなど、新収品を含む館蔵品の多くを展示いたいます。ファッションの流れを見ていくと、ロココ時代の特徴であるたっぷりと布地を使いふくらんだスカートに、細いウエストを強調したスタイルは、女性らしさを象徴するものとして、その後も何度か流行に取り入れられていることに気づきます。しかし、ただ過去を模倣するのではなく、社会的背景や美意識の変化など、さまざまなその時代の要素が反映され、新たなものが生み出されてきたことが読み取れるのではないでしょうか。今日に残る歴史的な衣裳は、現代のクリエイターたちの感性をも刺激してくれることでしょう。