21世紀に入り、世界は急速に変化しています。世界各国には根強い対立と不安、政治の混迷がまだ多く存在しています。一方では先進諸国はIT化と経済のグローバル化で生活スピードが増し、人々は、急激な社会変革の中にいます。
このような慌しい時代に流されるように、日本人のアイデンティティも不確かなものとなり、“心豊かで平穏な暮らし”には程遠い、余裕のない暮らしぶりも増えました。
私たちは考えます。
260年以上の長期平和を実現した徳川時代とは、一体どんな時代だったのでしょう?江戸時代に確立された日本の美学、文化、日本人のアイデンティティをもう一度考えてみる機会があってもよいのではないか?
この「大徳川展」では、今まで徳川家一門それぞれに所蔵され、また 公開されてきた貴重な品々を、全徳川というスケールで一同に集め、現代の人々に見ていただきたく機会を創りあげました。
この展覧会では、徳川家の天下統一から説き起こし、太平の世で育まれ開花した絢爛たる文化や芸術を、ご堪能していただけるものと思います。
それが「大徳川展」なのです。