夜空に輝く星のように、高貴な女性達の頭上を、美しく彩りつづけたティアラ。惜しげもなく使われる贅を尽くした宝石と貴金属。身につけられるのは、特別な時間の特別な場所だけ。「ため息のジュエリー」と呼ばれるゆえんです。
古代エジプトで神性をあらわすものとして栄えたティアラが復活したのは18世紀、ナポレオンに愛でられて権力の象徴となり、19世紀から20世紀の激動の時代には、ヨーロッパの高級メゾンがその技術の粋を尽くして競い、社交界デビューへのパスポートともなりました。栄光、婚礼、羨望、嫉妬、傲慢、献身、優越感、勝利、悲恋、政治、社会運動、戦争、革命、映画、オリンピック―今回108点のティアラには、女性たちの華麗なるドラマが秘められています…。
非日常の高貴なるジュエリー、ティアラ。その全貌が日本で明らかにされるのは今回が初めて。華麗なるもうひとつの美術史を、京都でお楽しみください。