日本を代表する画家・雪舟(1420~1506?)。岡山に生まれ、大志を抱いて京都に上った雪舟が、新たな夢を求めて山口にやってきたのは三十代の半ば。ここから彼の人生は大きく転回します。大内氏の庇護を受けて山口から当時の先進国、明(中国)に渡り、これをきっかけに独自の画風を確立したのです。帰国後は山口を中心に諸国をめぐり、斬新な作品で大きな名声を得ました。
強い意志を感じさせる線、大胆不敵な構図、澄みきった色彩感覚。その個性がはっきりと刻印された雪舟の作品はどれも、500年の時をへてなお、私たちを魅了してやみません。
このたびの展覧会は、雪舟が人生の転機を迎えた山口で、その作品の魅力にあらためて迫ろうというものです。雪舟の才能が山口の地でいかに花開いたのか、国宝6点を含む全61点で、ご紹介いたします。雪舟の人生をたどる旅へ、彼の描いた絵画世界をめぐる旅へ、そしてあなただけの雪舟を見つける旅へ。山口から始まる「雪舟への旅」へ、どうぞお出かけください。