山梨県立美術館では、夏休みに親子で楽しめる展覧会として、「アートになった動物たち」展、「親子で楽しむ美術展―絵ができるまで―」、「こんな顔、あんな顔、いろんな顔」展などを開催し、好評をいただいてきました。そしてこのたび、「こどものとも」シリーズを中心に国内で最も多くの絵本原画を所蔵する宮城県美術館のご協力を得て、「絵本原画」展を開催することとなりました。
絵本は子どもが初めて手にする本で、絵が中心です。子どもは、何回も何回も同じ絵本を眺め、大人が考える以上に絵に入り込み、大人が気づかない細部まで興味を持って覚えています。絵本の絵が頭に残っている子どもにとって、原画は更に魅力的なものに見えることと思います。一方、絵本原画は、画家が水彩や油彩、コラージュ、ミクストメディアなどによって創りあげた純粋な美術作品そのものなのです。子どもにわかりやすい具象的、写実的な作品もあれば、抽象的なもの、デザイン的なものもあり、大人にとっても魅力的な絵画です。
出品作品は、長新太の『どろにんげん』、なかのひろたかの『ぞうくんのさんぽ』、太田大八の『どうぶつたちのおかいもの』、荻太郎の『かじやとようせい』など多くの人が親しんだ絵本の原画76点です。また、会場には実際に手にとって見られる絵本も用意してあります。この機会に絵本と原画の両方をお楽しみください。