日展の前身である文展(文部省美術展覧会)が創設されてから、今年で100年になります。この記念すべき節目を迎えるにあたり、特別展「日展100年」を開催いたします。政府主催の展覧会として成立した文展は、名称や組織形態を変えながらも、日本を代表する総合美術展として、第1回開催の1907(明治40)年以来ほぼ毎年開催され、戦後は社団法人日展がこれを受け継いで今日に至っています。この間、多くの優れた作家を輩出し、日本の近現代美術の発展に多大な役割を担ってきました。
本展では文展創設から現代まで、日本画・洋画・彫刻・工芸・書の各分野から代表的作品約160点を選び、その歩みを回顧しながら、この100年の日本美術の大きな流れを概観します。
<展示内容>
第1章:文展(1907―1918)
日本画・西洋画・彫刻の三部門において、当時を代表する美術家全てを網羅する意気ごみで発足した文展。明治から大正にかけて花開いた、香り高い作品の数々をご堪能ください。
第2章:帝展(1919―1934)
政府に代わって帝国美術院が主催者となり、展覧会の運営が美術家たちの手に委ねられた帝展時代を振り返ります。個性に富む若い世代の作家たちが台頭するとともに、新たに工芸部門が加わりました。
第3章:新文展(1936―1944)
再び文部省の主催となった展覧会は、「新文展」の名で呼ばれます。この時期の作品には、戦後の美術につながる新しい傾向が芽生える一方、戦争の時代背景も色濃く反映しています。
第4章:日展(1946― )
戦後いち早く日展(日本美術展覧会)が新たに出発します。それは焦土と化した日本の希望の象徴でもありました。書部門を加えて総合性を高めながら、戦後美術の展開の舞台として、いっそうの充実へと向かいます。