同時代のアートシーンを代表する作家の一人、
エルネスト・ネトの日本初となる大規模な個展。
エルネスト・ネトは、1964年にブラジル・リオデジャネイロに生まれました。1980年代後半より作品の発表をはじめ、伸縮性と透過性にすぐれた薄い布地を用いた有機的な形態のオフジェや、そのオフジェでこうせ異された体験型インスタレーション作品で注目を集めます。以来、ブラジルのみならず世界各国の美術館で個展を開催し、また、2001年の第49回ヴェネツィア・ビエンナーレでブラジル代表に選ばれるなど、現在最も注目を集めているアーティストの一人です。日本国内でも近年、2004年の「ブラジル:ボディ・スルタルジア」(東京国立近代美術館:京と国立近代美術館)や2006年の「越後妻吾アートトリエンナーレ」(十日町市ほか)など大規模なグループ展や国際展に招かれており、日本での個展開催が最も待ち望まれているアーティストでもあります。
エルネスト・ネトは、その場所や空間の特製を最大限に活かす作品を制作し、展示することでも知られています。本展でも、エルネスト・ネトは会場に合わせて新しいインスタレーション作品を制作し、3階の展示室全体を使って展示します。谷口吉生の設計による美しい建築空間がネトの手によってどのように活かされ、そして新たな姿へといかに変容するのかといった展もまた本展の大きな魅力です。さらに、単に観るだけでなく、作品の中に入り、触れたり匂いを嗅いだりといった「体感」を通して、本展の作品に接することで、よりいっそうネトの独創的な作品世界をお楽しみいただけることでしょう。