北海道立近代美術館は1977年7月に開館し、今年で30周年を迎えます。この間、多彩な特別展を開催する一方、積極的に作品の収集を進めてきました。〈北海道の美術〉〈日本近代の美術〉〈エコール・ド・パリ〉〈ガラス工芸〉〈現代の美術〉という5つの方針に基づいてコレクションしてきた作品は、現在4,218点を数えます。今年度の〈これくしょん・ぎゃらりい〉では、1年間にわたって当館所蔵作品の各分野から代表作をまとめて展示します。
第1回目となる今期は、〈日本近代の美術〉に焦点をあてます。日ごろから慣れ親しんでいる日本画や油彩画という技法、そして美術館という施設は、幕末の開国以来、西洋の文化と触れ合うなかで生み出されてきました。その意味からも当館の活動と近代美術の流れは、切り離せない関係にあります。日本の伝統を踏まえながら新たな表現を模索した日本画、ヨーロッパから移入され日本独自の表現を確立した油彩画、江戸時代の浮世絵の残光と西洋の新技法のなかから多彩な展開を遂げた版画、そして1970年代以降に次々と試みられた斬新な美術表現・・・。当館が所蔵する日本の近代美術を彩る作品、約90点をご紹介します。