20世紀アメリカの生んだ世界的建築家フランク・ロイド・ライト(1867-1959)と日本近代建築にアール・ヌーヴォー、スパニッシュを導入した建築家、武田五一(1872-1938)との交流を基点とし、それぞれの日本趣味およびそのモダンデザインの姿を探る展覧会。
ライトは、1893年のシカゴ万国博覧会の日本館「鳳凰殿」」に強い関心を示して、1905年に来日し、日本美術に触れました。一方、武田は1894年に東京帝国大学入学と同時に西洋建築を学び、1901-03年にヨーロッパでアール・ヌーヴォーに触れました。双方ともに、19世紀末の主流であったボザール建築には見向きもせず、日本趣味およびそれを基点とした新しいデザインに強い関心を示しました。
ライトが1905年の来日で全国を精力的に視察するとともに浮世絵を収集したのは有名な話です。その時、武田五一に出会いました。1913年に再来日にも再会し、ヴァスムート社刊の作品集を武田に贈り、それを1916年、武田が編集して日本で最初のライトの作品集を出版させました。
ライトは1914年に帝国ホテルの設計を依頼され、翌年に東京事務所を開設し、さらに1917年、林愛邸、1920年福原有信邸、1921年、自由学園そして1923年には旧帝国ホテルを竣工、翌年、山邑太左衛門邸を完成させるなど日本人にも身近な建築家となりました。
ライトは日本を離れる時、武田に帝国ホテルと東京劇場計画案などの石膏模型を贈りました。
展示では、ライトの日本における作品や武田五一の新資料など、日本趣味を表す資料やその建築への思いなどを紹介いたします。