美術館の大きな役割のひとつに美術作品の収集があります。当館では「郷土ゆかり」や「日本の近現代美術」という収集テーマの中で日本画の収集を進め、現在200点を越すまでになりました。コレクション展で日本画を紹介するシリーズも毎回好評をいただき、平成16年度の「松岡映丘とふるさとの美術」にはじまり、18年度の「華やぐ日本画名品選」と続き今回は3回目となります。
日本画のもっとも日本画らしいテーマはその季節感にあるといえましょう。そこで本展では「日本画の美 四季の彩り」と名づけ四季折々の豊かな自然、湿潤で変化に富む日本の気候、風土を色濃く反映した作品を選びました。展示構成は約70点の作品を六つのテーマに分け、当館の所蔵日本画の新しい側面をごらん頂きます。
展示構成(主な出品作品)
①桜のある風景
上村松園「花」、松岡映丘「桜の花かめ」「春」、小野竹喬「春暖」他
②自然賛歌
濱田昇児「幹」、宮崎亮吉「椿」、池田遙邨「弦月」他
③白鷺を想う
朝見香城「白鷺城」、平山郁夫「姫路城」、川瀬巴水「白鷺城」他
④歴史・物語の中の四季
松岡映丘「宇治の宮の姫君たち」、高橋玄輝「上代の秋追想」他
⑤花鳥画へのいざない
濱田観「初夏の花」「花芥子」、山口華楊「深秋」、水越松南「牡丹に虫」他
⑥里山に遊ぶ
森崎伯霊「五月の晴」、丸投三代吉「行く秋」、大野麦風「春浅し」他